白ゴマは、健康と美容に優れた効果があると古くから愛されている食品です。特に髪の毛や肌に対する効果については、多くの人々が関心を寄せています。しかし、どれだけ健康に良いとされる白ゴマでも、過剰摂取には注意が必要です。本記事では、白ゴマの美容効果、食べ過ぎによるリスク、そして正しい摂取方法について詳しく解説します。
白ゴマの美容効果
髪の健康に欠かせない亜鉛が豊富
ゴマには、髪の毛の育成に欠かせない亜鉛が豊富に含まれています。髪の毛は「ケラチン」というタンパク質からできており、この「ケラチン」を体内で合成するためには、ミネラルの一種である「亜鉛」が欠かせません。亜鉛が不足すると、ケラチンが合成できず、薄毛やハリコシのないパサついた髪になってしまいます。したがって、白ゴマを食べることで亜鉛を効率よく摂取し、美しい髪を保つことが期待できます。
抗酸化作用による美肌効果
白ゴマに含まれるリグナン、特に「セサミン」は強力な抗酸化物質です。抗酸化作用により、老化の原因となる活性酸素を除去し、肌のシミやくすみを防ぎます。さらに、セサミンは糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病にも深く関わっているため、健康な体を保つのにも役立ちます。
豊富なビタミンEで肌の潤いを保つ
白ゴマにはビタミンEも豊富に含まれています。ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれ、抗酸化作用が強いのが特徴です。肌の皮脂膜を安定させることでバリア機能を向上させ、肌の潤いを保つのに役立ちます。これにより、乾燥や外部刺激から肌を守る効果が期待できます。
白ゴマと黒ゴマの栄養の違い
白ゴマと黒ゴマは種皮の色で区別されますが、栄養的には若干の違いはあってもほとんど差はありません。以下に白ゴマと黒ゴマの栄養や特徴の違いを詳しく見ていきましょう。
| 栄養 | 白ゴマ | 黒ゴマ |
|---|---|---|
| 脂質 | 良質な脂質 | 白ゴマとほぼ同じ |
| 特徴 | ・脂質の割合が多く、ゴマ油にも使用される ・セサミンの含有量がやや多い |
・種皮にポリフェノールを含む |
| 風味 | ・香りや味の主張が強くなく、どんな料理にも合う ・ほのかな甘みがある |
・ゴマの香りが強く、香ばしい ・種皮が固く、見た目にもアクセントになる |
白ゴマの栄養成分
脂質
ゴマの50％は脂質です。これを聞くと「太りそう…」と思う方もいるかもしれませんが、ゴマに含まれる脂質は健康に非常に良い油です。ゴマの脂質はそのほとんどが不飽和脂肪酸であるリノール酸とオレイン酸です。この脂質は血管をしなやかに保ち、コレステロールが血管に沈着するのを防ぎます。
タンパク質
脂質の次に多いのがタンパク質で、20％を占めます。20％というと肉や魚に匹敵するタンパク質含有量であり、さらにゴマのタンパク質は必須アミノ酸が豊富に含まれる良質なタンパク質です。また、大豆と組み合わせることで、お互いに少し足りない必須アミノ酸を補足し合うことができるので、大豆製品とゴマは最強の組み合わせと言えます。
リグナン
リグナンとは、抗酸化物質の一つですが、ゴマに含まれる代表的なリグナンは「セサミン」です。サプリメントなどでも有名ですね。老化の原因となる活性酸素を除去することで、肌のシミやくすみ等を防ぎます。さらに活性酸素は肌だけでなく、糖尿病や脂質異常症など生活習慣病にも深く関わっているため、健康な体に欠かせない栄養となっています。
食べ過ぎによるリスク
カロリーの過剰摂取
ゴマは100ｇ当たり約600キロカロリーと、なかなかの高カロリーです。100ｇを一度に食べることはまずないと思いますが、やはり脂質が多く含まれている分、摂り過ぎはカロリーオーバーにつながります。1日大さじ1～2杯（10ｇ～20g）を目安に摂るようにしましょう。
下痢や腹痛
脂質と食物繊維が豊富なゴマはスッキリさせるのに役立ちますが、多量に摂ると下痢や腹痛の原因になります。健康に良いからといってそればかりを食べるのではなく、バランスの良い食生活を心がけましょう。
正しい摂取方法とおすすめレシピ
白ゴマのおすすめレシピ
白ゴマをより美味しく食べるためのレシピをいくつかご紹介します。
白ごまご飯
ゴマの香ばしい香りとプチプチした食感、ほのかな塩味がとても美味しいです。作り方はとても簡単で、ご飯を炊くときに白ゴマ、オリーブオイル、塩を入れるだけです。
【材料】
– 白米…2合（300ｇ）
– 塩…3ｇ
– オリーブオイル…大さじ1
– 白ゴマ…大さじ1.5～2
【作り方】
1. 米を研ぎ規定量の水を入れ、すべてを混ぜて炊飯する。
白ごまプリン
優しい風味のミルクプリンにゴマの風味が加わってとても美味しいです。ゼラチンで固めるので失敗なく簡単に作ることができます。
【材料（4人分）】
– （A）粉ゼラチン…10ｇ
– （A）水…大さじ4
– （B）ねりごま…大さじ2
– （B）牛乳…450ｍｌ
– （B）グラニュー糖…大さじ4
– （B）生クリーム…100ｍｌ
【作り方】
1. （A）を混ぜてゼラチンをふやかしておく。
2. （B）を鍋に入れ混ぜながら沸騰直前まで温める。
3. 火からおろし、1を加えて溶かす。
4. 鍋に氷水をあて、混ぜながらとろみがでてきたら型に入れて冷蔵庫で冷やし固める。
好みできなこや黒蜜をかけたり、生クリームをトッピングしても美味しいです。
白ゴマの摂取のコツと注意点
適量を守る
白ゴマの健康効果を最大限に引き出すためには、適量を守ることが重要です。前述の通り、1日大さじ1～2杯（10g～20g）を目安に摂取するようにしましょう。過剰摂取はカロリーオーバーや消化不良を引き起こす可能性があります。
さまざまな料理に取り入れる
白ゴマは風味が強くなく、どんな料理にも合いやすいのが特徴です。ごま和えやサラダ、パンやお菓子のトッピングなど、日常の食事に取り入れることで、無理なく健康効果を享受できます。
白ゴマの保存方法
冷暗所で保存
白ゴマは油分が多いため、酸化しやすい食品です。酸化を防ぐためには、冷暗所で保存することが重要です。開封後は密閉容器に入れて、湿気や光を避けるようにしましょう。
冷凍保存もおすすめ
長期間保存したい場合は、冷凍保存も効果的です。冷凍することで酸化を防ぎ、新鮮な状態を保つことができます。使う際は必要な分だけ取り出し、すぐに使用するようにしましょう。
白ゴマを使った美容法
白ゴマオイルでのマッサージ
白ゴマから抽出される白ゴマオイルは、マッサージオイルとしても優れた効果があります。肌に直接塗布することで、保湿効果や抗酸化作用を期待できます。入浴後の肌が温まった状態で使用すると、効果が高まります。
自家製ゴマパック
白ゴマをすりつぶしてペースト状にし、蜂蜜やヨーグルトと混ぜて自家製フェイスパックを作ることもできます。ゴマの栄養成分が肌に浸透し、保湿と美白効果が期待できます。
白ゴマの健康効果を高める組み合わせ
大豆製品との相性
大豆製品（豆腐、納豆、味噌など）と白ゴマを一緒に摂取することで、双方の栄養素が相乗効果を発揮します。特にタンパク質と必須アミノ酸のバランスが良く、健康に非常に良い組み合わせです。
ビタミンCを含む食品と一緒に
ビタミンCを含む食品と一緒に摂取することで、白ゴマに含まれる鉄分の吸収が高まります。レモンやオレンジなどのフルーツと組み合わせて摂るのがおすすめです。
まとめ
白ゴマは、その豊富な栄養素と健康効果から、日常の食事に取り入れる価値のある食品です。亜鉛やビタミンE、セサミンなどの成分が髪や肌の健康に寄与し、抗酸化作用によって老化防止にも役立ちます。しかし、過剰摂取には注意が必要で、適量を守ることが大切です。さまざまな料理に取り入れたり、保存方法に気を付けたりすることで、白ゴマの効果を最大限に引き出すことができます。また、美容法としても活用できる白ゴマは、健康と美しさを両立させる強力な味方です。バランスの良い食生活と合わせて、白ゴマを上手に取り入れてみてください。
